研究者情報

• 白井　秀明

学歴

• 1984/04　東北大学　教育学部　教育学科　入学
• 1988/03　東北大学　教育学部　教育心理学科　教育学士「統一的なルールが面積課題群の解決に及ぼす効果について」　卒業
• 1988/04　東北大学　大学院教育学研究科　前期2年の課程　教育心理学専攻　進学
• 1988/04　1989/03　東北大学　大学院教育学研究科　前期2年の課程　教育心理学専攻　教育学修士　修了
• 1990/04　東北大学　大学院教育学研究科　後期3年の課程　教育心理学専攻　進学

学位

• 教育学修士（教育心理学）

学会及び社会における活動等

• 1988/04　日本教育心理学会
• 1988/04　「第2日曜の会」（宮城県内の小・中学校教員との授業研究会）会員
• 1988/04　「教授・学習過程研究会」（日本教授学習心理学会会員を中心とした研究会）会員
• 1993/04　日本障害児教育実践学会会員
• 1995/04　「極地方式研究」（全国の小・中・高・特支教員による授業研究学会）会員

研究分野

• 心理学　教育学　科学教育・教育工学　教育心理学　教科教育学　教授学習心理学　その他　概念（知識体系）の組みかえ　その他　科学・理科教育、数学・算数教育　その他　あたる喜び・はずれる驚き

著書

• 『総合的な学習の時間のための授業プラン集３』　共著　民衆社　2000/10
• 『現代と未来をつなぐ実践的見地からの心理学』　共著　八千代出版　2009/03
• 『現代と未来をつなぐ実践的見地からの心理学（改訂版）』　共著　八千代出版　2019/03
• 『現代と未来をつなぐ実践的見地からの心理学（改訂版）（2刷）』　共著　八千代出版　2019/03

論文

• 「小学生の面積概念学習に関する構成法的研究」（修士論文）（査読付き）　単著　東北福祉大学大学院教育学研究科　1990/03
• 「小学生の面積学習に及ぼす誤ルールの影響」（査読付き）　共著　教育心理学研究第３９巻第１号　1991/03
• 「自己主張の活発化と生活空間の拡大を目指した教育的関わり合い－一聾精神遅滞者に対する共感的対処の効果－」（査読付き）　共著　特殊教育学研究第３５巻第３号　1997/11
• 「中学生のストレス行動と原因帰属様式との関連に関する研究～サポート希求とその実態をふまえて～」　共著　東北福祉大学感性福祉研究所年報第２号　2001/03
• 「回想法による中・高校時代のストレスと対処行動について－ストレス耐性と対処方略をめぐる特性的アプローチを考える－」　共著　『東北福祉大学感性福祉研究所年報第２号』　2001/05

その他

• 「等積問題と等周長問題における面積大小判断の関係」　共著　1987/09　『日本教育心理学会第２９回総会発表論文集』
• 「小学生の面積大小判断に及ぼす誤ルールの影響」　共著　1989/09　日本教育心理学会第３１回総会発表論文集
• 「小学生の面積概念学習に関する構成法的研究」　単著　1990/09　日本教育心理学会第３２回総会発表論文集
• 「幼児の地図読解行動の前提値に関する研究－ルート歩行を目標値として－」　共著　1991/09　『日本教育心理学会第３３回総会発表論文集』
• 「小学生の速さ概念について～教授プラン作成のために～」　単著　1991/09　日本教育心理学会第３４回総会発表論文集

教育活動

• 講義科目について　授業内容の連続性を明確にするため自作プリント教材を作成し学生に配布している。またそれらは年度ごとに改訂している。常に授業で取り上げる内容を受講生がどのように事前にイメージしているのかを考え、彼らのそうした既有知識とのギャップを埋めたり、組みかえたり、個別的な理解になっていることをつなげたりすることを心がけている。自身の授業研究における実践記録（活字やビデオなど）など具体的な例を豊富に挙げたり、受講生に実際に問題を解いてもらう体験型学習をより多くしたりしながら、理論を実践の中で利用可能性の高い知識へと再構成してもらう工夫をすることによって受講生に楽しくかつ深い理解をしてもらうことを目指している。
• 演習科目について　各学年の演習について、受講生同士のグループ学習が中心であるが、担当者がファシリテーターとして機能することを目指している。具体的には、教育心理学における教授学習過程の諸問題や今までの実践研究の成果などについての発表論文、さらに研究成果として作成されてきたビデオ教材、文章教材、紙芝居教材など紹介しながら、グループ学習の内容をファシリテートしている。2年リエゾンゼミⅡでは「科学的とはどういうことか」、3年教育学演習では「科学の学び方」をテーマに、4年教育学演習では「科学の教え方」をテーマに「授業を創るということが仮説検証型実験となっていること」を段階を踏んで学んでもらう。
• 実習科目について　学習困難児を集めた学習支援活動に、担当演習受講生を中心に支援スタッフとして参加させている。実際に小学校の勉強について行けてない子ども、集中して学習できない子どもを年間通して担当させ、「子どもの味方になる」「子どものつまずきに寄り添う」ということの意味を実践的に学んでもらう場を提供している。また、大学祭において、演習を通して学んだ教材研究としての「ものづくり」教材の提案をさせ、子どもからお年寄りまで多くの来校者を対象にいろいろな素材、道具を使った「ものづくり」を発表させている。

研究活動

• これまで（その1）　ここ十数年は、実際の授業（小学校理科）をフィールドの中心として、教授学習心理学的視点による授業研究をチームを組んで行ってきた。特にここ数年は「学力較差」を研究テーマに掲げ、教育経験が増すにつれて皮肉にも学習者間の学力較差が広がるという現象を計六年間の大規模な縦断的調査によってとらた。さらに、調査で見つかったもののごく一部の分野ではあるが、その学習者間格差の是正のための教授法の開発を行ってきた。
• これまで（その2）　小学校理科植物分野について、同一分野の内容でありながら複数の学年にまたがって単元化されているため、各単元の内容が個別的に教授されがちであり、しかも単元間の内容的関連性の理解はそれぞれの学習者に任せてしまっている現状がある。そこで、各単元の学習内容を関連づける授業を組み込む実験授業を行い、調査で見いだされた学習者間較差なるものを是正できる場合があることを提案した。このように同一教科内において縦断的関連づけをすることによって、少しでも学習者間較差を縮小する方法について実践的に研究するなかで、「教える」ことと「学ぶ」ことの間に成立する教授学習心理学的な法則の定立およびその検証を行ってきた。
• 現在（その1）　さらに、小学校理科の電磁気分野（電流、電磁石、発電など）の単元をとりあげ、単元の学習目標である「法則的知識」の理解を促進する実験やものづくり活動の条件について実践的に研究を行っている。内発的動機付けの中核となる知的好奇心を開始、維持、増幅させるための要因および学習者の誤った既有知識の組み替えに寄与する要因という観点から「ものづくり」教材や実験に注目し、楽しいそして深い内容理解につながる「学び」の場を提供するものづくり活動や実験活動の条件について研究している。
• 現在（その2）　学習困難児、特に発達障害を有する子どもたちが、学習内容を機械的に暗記する、個別化するなどによって学校に適応しようとしている状況の調査と、そうした適応方法のために実現し得ていない本来の学習内容となる「概念学習（概念形成）」「法則的知識の学習」のプロセスに焦点を当てた「発達障害児にとっての「わかりやすさ」とはなにか」、そしてそれを実現するための方法論について研究を継続している。