縮小過剰型の誤概念として小学生の動物概念を取りあげ、この誤概念を科学的な概念に修正するための境界的事例群を用いた教授法の効果を検討した。境界的事例群としてプランクトン事例群および貝事例群を単独で用いて、補食・運動・排泄を提示した第1、3実験では、概念の組みかえを示す結果は得られなかった。しかし、それら両事例群を提示した第2実験では、すべての課題の正答率が大幅に増加し、仮説を支持する結果を得た。縮小過剰型誤概念の修正には、2種の境界的事例群を組み合わせた提示が有効であることが確認された。
pp.230-239
荒井龍弥、宇野忍、工藤与志文、白井秀明