これまでの小学校5、6年理科の化学的性質を扱う3つの単元で行った物質の基礎概念学習による単元間の関連づけを目指した実験授業について、比較検討を行った。意図的な物質の基礎概念学習を行わない授業によって単元内容を学習し最終学年に至った学習者よりも、本研究の3回の基礎概念学習を積み重ねた学習者の方が、基礎概念についてより理解が促進されていたという結果は得たが、十分満足のいくものではなかった。単元内容の理解と物質の基礎概念の理解との理論的関係の見直しと同時に理解を測定する課題の見直しをする必要がある。
白井秀明、宇野忍、荒井龍弥、工藤与志文、佐藤淳