地学というと、花崗岩は火成岩、その鉱物は長石、石英、雲母などと言葉を覚えるだけの理解になることが多い。そんな体験をしてきた筆者が「中央構造線をたどりフォッサマグナを眺める」という巡検に参加した時に、中央構造線博物館の解説員の話に登場した「付加体」というキーワードを元に、今日本の地表でとれる「石」「岩石」そして「地層」が、太平洋プレートにのってハワイ沖から2億年もかけて運ばれて日本のプレートによって削り取られた結果を目にしているということに感動した体験を元に教育心理学でいう問題解決過程について考察した。特に、プレートがプレートの下に沈み込む、そのときに蓄えた「ひずみ」が解放され地震が起こるという「あるモデルでわかりきった」思ってしまう状態」から抜け出すキーワードとしての「付加体」という知識の重要性、および「わかる」というプロセスと「わからなくなる」というプロセスは交互に起こるという、教育心理学から見た問題解決過程が学習の過程の本質となることを主張した。
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