血証のひとつであるお血は、血の流通障害によって引き起こされ、様々な症状を呈する。また、お血の際に反応が現われやすい部位として腹部お血点があり、診断や治療効果の評価に用いられている。本研究では、血に関係する膈兪穴と気に関係する気海兪穴に対し、それぞれ吸角および低周波鍼通電による介入を行い、それらが腹部お血点および血圧、脈拍数等の血流動態に与える影響を比較検討した。本研究の結果より、背部兪穴に対する吸角介入の駆お血効果及び疼痛緩和作用、膈兪穴に対する低周波鍼通電介入による血流動態への影響(脈拍数の有意な減少) 、膈兪穴に対する吸角介入による血流動態への影響 (最高血圧の上昇傾向)が示唆された。
岩田 良太, 羽鳥 彩美, 水本 陽己, 宇津木 努, 平井 顯徳, 加藤 豊広