実験的に前腕部の筋疲労を誘発し、それに対する遠隔部刺激の効果及び刺激方法の影響を検討する目的で、握力値の変化を指標に、三陰交穴への各種刺激方法(鍼刺激、管散術刺激、皮膚痛覚刺激)の影響を検討した。無処置実験、刺激実験ともに各群とも運動負荷直後に握力値が減少し、その後は安静時と同程度に回復した。管散術群の刺激実験では無処置実験に比べ運動負荷直後の握力値の回復が大きかった。本研究結果は、皮膚への微細な刺激の筋疲労に対する有効性を遠隔部刺激において示したものであり、更に筋疲労を起こした筋の遠隔部への鍼刺激は筋疲労に対し有効な効果を起こさない可能性が示唆された。
二本松 明, 吉井 大樹, 宇津木 努, 平井 顯徳