本研究は、Drop vertical jump(DVJ)における支持脚保持時間の変化が運動学的・運動力学的パラメータに及ぼす影響を検証し、接地時間を一定に保ちながら前十字靭帯損傷リスクをより正確に評価することを目的とした。対象は健康な女子学生20名である。DVJ実施中は、対象者に高く跳ぶまたは速く跳ぶことを指示した。速く跳ぶジャンプでは高く跳ぶジャンプに比べ接地時間が有意に短かった。速く跳ぶジャンプでは、接地初期および垂直方向の最大地面反力における膝外反角度が有意に大きく、重心最下点における股関節屈曲角・膝関節屈曲角・足関節背屈角度が有意に小さかった。また垂直方向の最大地面反力が有意に大きかった。接地初期における膝外転モーメントは両条件間で有意差は認められなかった。支持時間の一貫性確保には速く跳ぶジャンプが高く跳ぶジャンプより優れており、DVJを用いた際には口頭指示による運動学的・運動力学的特性の差異を考慮すべきと考える。
Hiroko Yokoyama, Atsushi Oda, Misato Makino, Takaaki Ishikawa, Kazuya Shikanai, Toshiaki Tsukamoto, Eiichi Tsuda
