前十字靭帯再建術(ACLR)後、患肢における膝伸展モーメント(KEM)の減少および着地動作中のKEM非対称性が観察される。ACLR後の着地動作におけるKEMと運動学的・運動力学的パラメータの関連性に関する知見は限られている。本研究では、ACLRを受けた女性アスリートにおける着地時のKEMと、前後方向足圧中心位置(AP-COP)、垂直方向地面反力(VGRF)、下肢関節角度との関連性を調査した。ACLRを受けた女性アスリート22名が、術後7.9ヶ月目にDrop vertical Jumpを実施した。3次元動作解析システムを用いて、着地時のKEM、AP-COP位置、VGRF、および矢状面における股関節・膝関節・足関節角度を評価した。AP-COP位置とVGRFは着地時のKEMと関連していた。臨床現場において、ACLR後の両足着地時のKEMを理解するには、下肢関節角度ではなくVGRFとAP-COP位置の評価が有用である可能性がある。
Masato Chijimatsu, Rui Henmi, Hiroko Yokoyama, Yuka Kimura, Yasuyuki Ishibashi, Eiichi Tsuda