体操選手を対象に倒立動作による遠位橈尺関節の動態を,超音波診断装置を用いて測定した。手関節中間位,背屈位と比較し,背屈荷重位では有意に橈尺側間距離が増大していた。倒立動作のような荷重時には,まず遠位橈尺関節の橈尺方向への開大が生じ,開大した遠位橈尺関節に手根骨の入り込みが生じる。その結果として橈骨手根関節の関節裂隙が狭小化し,橈骨と手根骨のインピンジメントが生じ疼痛が発生するメカニズムが推察された。
pp.31-33
西村信哉, 塚本利昭, 逸見 瑠生, 横山寛子, 横山利紗, 對馬瑞季, 古川貴大, 伊藤由樹, 上里涼子, 石橋恭之, 三浦和知, 津田英一