Effects of gait training with a voluntary-driven wearable cyborg, Hybrid Assistive Limb(HAL), on quality of life in patients with neuromuscular disease, able to walk independently with aids（査読付き）

HALを用いたロボット支援歩行練習は、神経疾患患者の移動能力を改善することが示されているが、患者の生活の質（QOL）への影響は明らかではない。本研究の目的は、神経筋疾患（NMD）患者におけるHALによる歩行練習がQOLと移動能力に及ぼす影響を評価することである。移動能力に障害があるが補助具を用いて単独歩行可能なNMD患者10名（男性7名、女性3名、平均年齢：57±11歳）を対象に、6ヶ月間にわたりHALを用いた歩行練習を2コース実施した。各コースは4週間で9回のセッションで構成された。ベースライン時、第1セッションの後、第2セッション前、第2回訓練後の2分間歩行テスト、10m歩行テスト、SF-36（Short Form-36）質問票、病院用不安抑うつ尺度（HADS）の結果をフリードマン検定で比較した。2分間歩行距離はベースライン時（93±50m）から第2セッション後（115±48m、P=0.034）に有意な改善が認められ、SF-36の活力領域（P=0.019）および精神的健康総合スコア（P=0.019）でも同様の傾向が観察された。10m歩行速度の改善は、SF-36における身体機能（R = 0.831, P = 0.003）および身体的役割（R = 0.697, P = 0.025）領域の改善と有意に相関していた。本結果はHAL歩行練習が、特定の神経筋疾患患者において、歩行能力だけでなく精神健康に関連するQOLの改善にも有効であることを示唆した。

Kazutomo Miura , Eiichi Tsuda , Masakazu Kogawa , Hiroaki Ishiyama , Kazushi Maeda , Kosuke Kuzuhara , Ikue Ito , Natsuka Masuno , Kazutaka Urita , Yuki Saito , Hiroko Yokoyama , Rui Henmi , Yasuyuki Ishibashi

Journal of Clinical Neuroscience, 89: 211-215