第1趾側角度を用いて小学1年時から6年時までの外反母趾の経過を調査した。小学生時期に第1趾側角度は増加し,外反母趾の基準値である16°を超える児童も数名みられた。女子の第1趾側角度の増加は男子よりも早く3年生付近から生じており,この時期の男女の違いとして第二次性徴が考えられた。男子でも高学年になると第1趾側角度の増加が生じており,この時期は一般的に部活動が始まる時期であるため,運動や運動靴が影響している可能性が考えられた。今後は部活動や運動靴と外反母趾との関連を検討していくとともに,外反母趾予防のため小学生時期から適切な靴や運動療法の指導を行っていくことが必要になってくると考えられた。
鹿内和也,尾田敦,石川大瑛,川口陽亮,吉田深咲,前田健太郎,浦本史也,横山寛子,伊藤亮太,藤林直樹