膝前十字靭帯(ACL)再建術後の再損傷予防を目指し、criteria based guideline(CBG)を用いたACL再建術後リハビテーションを進めている。CBGの各ステージにおける到達目標(膝関節筋力やスクワットなどの動作評価)の到達度と競技復帰後の受傷を調査することである。到達群は24例で到達時期は術後8.8±1.5ヶ月、未到達群は11例であった。競技復帰時期は到達群では術後10.0±2.1ヶ月、未到達群では術後11.2±2.8ヶ月であった。未到達の項目は、ステージ4の膝伸展・屈PT/BW(60deg/s、180deg/s)とHTであった。再損傷例は6例であった。到達群で5例、未到達群で1例であった。再損傷時期はそれぞれ術後平均15.0±4.7ヶ月、術後6ヶ月で、再損傷例のスポーツ種目はバスケットボール4例、サッカー2例であった。今回の調査では到達群、未到達群ともにスポーツ復帰後に再損傷が発生していた。未到達群の1例は競技復帰許可前の受傷であった。到達群では競技復帰後の再損傷予防への取り組みが不十分であったと考えられた。
逸見瑠生,横山寛子,木村由佳,石橋恭之,津田英一