高校生女子バスケットボール選手を対象としたACL損傷予防トレーニング前後における股関節外転筋力と下肢関節キネマティクスの検討

第33回日本臨床スポーツ医学会学術集会

高校性女子バスケットボール選手を対象に股関節機能に着目した膝前十字靱帯（ACL）損傷予防トレーニングを6カ月完実施し、トレーニング前後の股関節外転筋力と前方hop動作の下肢キネマティクスの変化およびその関連について検討した。股関節外転筋のピークトルク体重比は、軸脚、非軸脚と
もにトレーニング後に有意に増加した。下肢キネマティクスは、
軸脚では初期接地時の股関節内転角度と膝関節外反角度が有意に減少した。最大膝関節屈曲時の股・膝関節屈曲角度が有意に増加し、
股関節内転角度が有意に減少した。非軸脚では最大膝関節屈曲時の
股関節屈曲角度が有意に増加した。一方、股関節外転筋力と下肢関節キネマティクスの変化量には有意な相関はなかった。ACL
損傷予防の観点から、片脚着地動作における前額面の下肢キネマティクスを改善させるためには、股関節筋力強化に加え他の要因へのアプローチも必要と考えられた。

逸見瑠生,横山寛子,千々松雅人,津田英一