Drop vertical jump(DVJ)の着地動作におけるCOPからCOGまでの前後距離(COP-COG間距離)と運動学・運動力学的パラメータとの関連について検討した。IC時においてCOPに対しCOGはすべて後方に位置(131.6±5.9mm)していた。peak vGRF発生時ではCOPに対するCOGは14名が後方に、6名が前方に位置していた。ICでのCOP-COG間距離とpeak vGRF発生時でのCOP-COG間距離(r=0.681)、外的膝関節屈曲モーメント(r=0.505)との間に有意な正の相関が認められた。先行研究ではACL損傷はおよそpeak vGRF発生時に引き起こると報告されており、また着地動作におけるCOG後方位や外的膝関節屈曲モーメントの増大は大腿四頭筋の過活動を引き起こし、ACL損傷のリスクとなる可能性があると報告されている。本研究の結果より、IC時点でのCOP-COG間距離と、peak vGRF発生時のCOP-COG間距離、外的膝関節屈曲モーメントは関連があることが明らかになり、DVJにおけるICでのCOP-COG間距離をみることで、ACL損傷のリスク評価の一助になる可能性があることが分かった。
横山寛子, 尾田敦, 牧野美里, 石川大瑛, 鹿内和也, 塚本利昭, 津田英一