本稿は能登半島地震における障害者・団体による支援活動に着目し、多様な3つの事例と障害者団体による支援体制の現状を報告する。障害当事者や障害者団体は、声なき声に気づき、共感性をもって応対する力をもつ。そして、命を守るための支援だけでなく、避難生活を穏やかに過ごすための支援にアプローチしていることが明らかになった。また、障害当事者をはじめ多様な人が支援を行いたいと思い、行っていることが確認された。支援する対象、客体でしかなかった小さな声の人が、主体となって復興のプロセスに参画できるよう、生活基盤の確保と、被災者一人ひとりがエンパワーメントされるよう多様な人による多様な支援が必要であると提案した。