石塚 裕子 (Ishizuka Yuko) - 改正バリアフリー法”理念と実践”のための10章 - MISC - researchmap
2018(平成30)年に高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律が改正されました。改正された法律には、新たに基本理念が掲げられ、社会的障壁の除去に資すること、誰もが分け隔てられることない共生社会の実現を位置づけました。
具体的な施策としては、移動円滑化促進方針(以下、マスタープランと示す)の創設、情報提供の充実、心のバリアフリーの推進などが強化されています。 特にマスタープランの策定にあたっては、従来の基本構想の枠組みを超えて、総合的、長期的な視点で市町村全体の包括的なバリアフリー化指針として策定することが望まれます。
本テキストは、国が定めた基本方針やガイドラインを踏まえた上で、改正バリアフリー法の活用方法を解説しています。第1章では日本におけるバリアフリー施策の経緯を振り返り、課題を整理し、第2章では最も大切な「障害当事者参加」、「市民参加」の理念、実践上の留意点を述べています。第3章はマスタープランの意義と効果を、第4章では心のバリアフリー、第5章と6章でマスタープランに定める事項を解説しています。実作業の参考となるよう第7章では調査方法の工夫を、第8章ではバリアフリーマップ、第9章ではハード面の課題について紹介します。最終10章では、発展的な取り組みを行っている自治体の好事例をとりあげています。すべてQ&A方式とし、どこから読んでいただいても使えるようにしました。