目的:筋骨格モデルシミュレーションを使用して、膝関節伸展制限下の歩行時の腰部へのメカニカルストレスを明らかにすること。
方法:若年健常男性17名を対象にした。モーションキャプチャーのデータを用いて右膝関節屈曲15°、30°、制限なしにおける10m快適歩行時のL4-5への関節モーメント・関節応力・筋発揮力を推定した。
結果:両立脚初期において30°制限が有意に腰椎伸展モーメントが増加した(p≤0.021)。多裂筋の筋発揮力は対側の立脚期でピークを示し、脊柱起立筋は両側の立脚期初期でピークを示した。多裂筋と脊柱起立筋の筋発揮力は膝屈曲角度とともに増加し (p ≤ 0.010)、効果量もおおきかった (η 2 = 0.273-0.486)。L4-5への関節応力は両側の立脚初期でピークであった。膝制限下では前後および鉛直方向の関節応力はそれぞれ14.2%-36.5% と10.0%-23.0%に増加した。効果量も大きかった (η 2 = 0.149-0.425)。
Journal of Healthcare Engineering Volume 2022, Article ID 1151753 . doi: 10.1155/2022/1151753.
Nakatsuji S, Kawada M, Takeshita Y, Matsuzawa Y, Hata K, Araki S, Kiyama R.