目的:縦断的データで脳卒中片麻痺者の歩行中の関節角度や定常性の変化を明らかにすること。
方法:17名のFAC>3の入院中脳卒中片麻痺者が参加した。入院時あるいは歩行がFAC3に達した時と退院時に歩行中の関節角度、骨盤加速度、身体機能を評価した。初回評価時と退院時の値を比較し、初回評価時から退院時まで歩行速度の改善率に関連する項目を検討した。統計学的検定には対応のあるt検定、相関分析、重回帰分析を用いた。
結果:身体機能、歩行機能ともに入院中に有意に改善した。歩行速度の変化率は、歩幅の垂直方向の定常性(r = 0.662)、歩幅の垂直方向の対称性(rs = 0.627)、麻痺側股関節屈曲(rs = 0.652)、麻痺側膝関節屈曲(r = 0.611)、非麻痺側足関節底屈(rs = 0.547)の変化率と有意かつ正の相関があった。垂直方向の歩幅の定常性、麻痺側股関節と膝関節の屈曲は、歩行速度の変化比率を決定する有意な因子であった。
Hum Mov Sci. 2024 May 8;95:103227. doi: 10.1016/j.humov.2024.103227.
Araki S, Matsuura H, Miyazaki T, Matsuzawa Y, Nakai Y, Kawada M, Takeshita Y, Takamura M, Kiyama R.