その他

基本情報

氏名 荒木 草太
氏名(カナ) アラキ ソウタ
氏名(英語) Araki Sota
所属 健康科学部 リハビリテーション学科(理学療法学専攻)
職名 助教
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

回復期脳卒中片麻痺者における歩行速度と歩行定常性の縦断的変化および関連性

単著・共著の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

202210

発表学会等の名称

第20回⽇本神経理学療法学会学術⼤会

概要

【はじめに】歩行速度に関与する歩行パラメータが明らかになることで, 歩行能力の改善のためにどのような歩行指標を参考にリハビリテーションを行うべきかが明確になり, 臨床に生かされていると思われる。本研究の目的は回復期脳卒中片麻痺者の歩行定常性の縦断的な変化および退院時の歩行速度の改善と歩 行定常性の改善の関係性を検証することである。
【方法】対象は回復期病棟に入棟し退院した初発脳卒中片麻痺患者17名とした。初回の計測は回復期病棟に入棟し, Functional Ambulation Categoryが3以上に達した段階で実施し , 最終の計測は退院月に実施した。歩行の測定は快適歩行を2回実施し, 骨盤加速度を計測するために仙骨後面にウェアラブルセンサーを貼付した。歩行の定常性は計測した骨盤加速度を歩行周期時間分タイムラグし, 算出した自己相関係数とした。評価項目は, 身体機能として下肢Fugl-Meyer assessment (FMA)とBerg Balance Scale(BBS) を, 歩行パラメータは歩行速度, ケイデ ンス, ストライド長, 定常性 (水平, 前後, 鉛直方向) とした。各パラメータの縦断的変化および, 歩行速度の初回から最終計測の改善率との関連性を検証した。統計学的検定にはデータ分布の正規性に応じて, 縦断的変化には対応のあるt検定, ウィルコクソンの符号順位検定をそれぞれ用い, 関連性の検討にはピアソン積率相関係数もしくはスピアマンの順位相関係数を用いた。また,アウトカムを歩行速度の改善率とし, FMA, BBS, 定常性の改善率を要因とした重回帰分析 (Step-wise法) を行った。
【結果】すべての身体機能および歩行パラメータの評価項目で有意な改善を認めた。また,初回から最終計測の改善率の検討では, BBS (rs = 0.613,p = 0.009)と鉛直方向の定常性 (r = 0.662,p = 0.004) で歩行速度の改善率と有意な関連性を示した。歩行速度の改善率と関係する要因としては, 重回帰分析は鉛直方向の定常性のみが選択された(β=0.662, p=0.004, R2=0.400)。

荒木草太、松浦央憲、中村俊博、松澤雄太、宮﨑宣丞、竹下康文、中井雄貴、川田将之、木山良二