Women’s Reading and Creation in Northanger Abbey(査読付き)
英国小説の一頂点をなす19世紀初頭の小説家ジェイン・オースティンを取り上げ、その初期小説『ノーサンガー・アビー』における女性の読み(読書/認知)の問題を考察した。ゴシック小説に耽溺するヒロイン、ゴシック的恐怖の想像および認知の誤りの描写分析を通じて、この作品の持つ入れ子構造的な虚構の枠組みを明らかにすると同時に、作者自身の読書体験の影響と、そこから脱却して自らの「新しいロマンス」を創造しようとするオースティンの創作活動の模索について論じた。
東北大学英文学研究会『詩論 』第38号 pp.55-68