18世紀後半から19世紀前半新古典主義からロマン主義へと至る中で、文学と絵画の相関関係を踏まえ、イギリス王立美術院初代会長レノルズ等の肖像画、絵のように美しい風景描写ピクチャレスクや家族団欒図との関連から、オースティンの『高慢と偏見』における絵画と絵画化の問題を考察した。英国における小説誕生からロマン主義文学に至る中で、女性(作家・画家)を取り巻く状況を踏まえ、当時流行していた感傷・ゴシック小説の問題について考察した。ジェイン・オースティンの初期作品群に及ぼした感傷・ゴシック小説の影響から、オースティン独自の作風に至る過程を考察し、特に『高慢と偏見』でオースティンが展開した絵画的表象による転覆的な小説手法を明らかにした。