本研究の目的は、中学生を対象に解決志向短期療法(SFBT)に基づくワークを実施し、不登校行動の低減における効果を検討することであった。SFBTの効果を検討するために、個人の悩みの解決を目指す「個人のワーク」と理想の学級集団を目指す「クラスのワーク」を作成した。本研究の結果、分析対象となった生徒は308名(男子136名、女子172名)であり、個人のワークのみに取り組んだ生徒は、学校での対人場面を避ける不登校行動が低くなり、獲得的レジリエンス要因が高まることが示された。個人のワークに加えてクラスのワークにも取り組むことによる追加的な効果は示されなかったが、SFBTに基づくワークは4週間という短期間で効果を示したことから、不登校行動の低減において有効な手段だといえる。
(研究計画、論文執筆の一部を担当)
櫻庭真弓・高木源・狐塚貴博・兪幜蘭・若島孔文