本研究の目的は、看護婦の(a) 個人的要因、(b) 労働条件、(c) 対処行動がCOVID-19への恐怖に及ぼす影響を明らかにすることであった。東北地域で勤務する看護師152名を対象にウェブアンケート調査を行った。階層的重回帰分析の結果、高齢者との同居、小規模病院での勤務、夜間の長時間労働がCOVID-19への恐怖に影響していることが示された。また、「不安からの逃避」という対処行動はCOVID-19への恐怖と関連することが明らかになった。これらの結果から、感染源となることへの恐怖が看護師のCOVID-19への恐怖を増大させ、身体的疲労の蓄積もCOVID-19への恐怖と関連する可能性が示唆された。また、回避的な対処行動が感染恐怖と関連し、組織的な支援が看護師のCOVID-19への恐怖を軽減できる可能性が示唆された。
小岩 広平・若島 孔文・浅井 継悟・高木 源・吉井 初美