本研究の目的は、気質が就労における心理的適応に及ぼす影響を検討することであった。有職の社会人281名を対象としてWebを通じた質問紙調査を実施した。重回帰分析を行った結果、新奇性追求という気質的な傾向は切り替えに対して否定的な影響を示した。また、損害回避という気質的な傾向は全ての就労における心理的適応の側面に対して否定的な影響を示した。更に、報酬依存という気質的な傾向は切り替えと柔軟性に対して肯定的な影響を示した。最後に、固執という気質的な傾向は柔軟性、有能感、能動性に対して肯定的な影響を示した。以上より、気質が就労における心理的適応に及ぼす影響が示された。
高木源・若島孔文