心拍数は心疾患運動療法における運動処方の指標として広く用いられ、代表的な心拍数運動処方法には、心肺運動負荷試験(CPX)に基づく方法と簡易的な方法(簡便法やKarvonen法)がある。今回、簡便法における加算心拍数およびKarvonen法におけるKarvonen係数と、嫌気性代謝閾値(AT)および呼吸性代償開始点(RCP)との関連を解析することにより、簡便法とKarvonen法の適正値について検討した。対象は、当院で2010年8月〜2013年11月にCPXを行った心疾患患者31例とし、ATおよびRCPと一致する加算心拍数およびKarvonen係数を求め、またβ遮断薬内服の有無による加算心拍数・Karvonen係数の差異について検討した。結果、ATに一致する加算心拍数は23.7±8.7であり、ガイドラインの値とほぼ同等であった。ATに一致するKarvonen係数は0.26±1.10であり、ガイドラインの値を下回った。β遮断薬内服の有無による有意差は認められなかった。
清水 浩介,西潟 美砂,白井 聡,樋口 逸一,野路 慶明