【背景】心疾患患者の歩行能力等の身体機能は生命予後との関連も報告されているが, 運動器疾患等の合併例では従来の評価が困難な場合がある. 今回身体機能評価の実施状況を調査し今後の課題について検討した.【方法】2018 年12 月~ 2019 年4 月にリハビリ介入した282 名(76.6 ± 10.6 歳、男性59.6%)を対象とした. 調査項目は対象疾患, リハビリ介入日数, 認知症および介護認定の有無, 初診時評価項目(立位・歩行評価,MMT), 退院前評価項目(握力, 片脚立位保持,膝伸展筋力,10 m歩行,6 分間歩行,MMT)とした.【結果】対象疾患は心不全38.7 % , 虚血性心疾患25.9% , 開心術・大血管術後14.5% , 末梢血管疾患7.1% , 大動脈解離5.0% , その他8.8% , リハビリ介入日数は11.3 ± 10.0 日(中央値8.5 日, 最頻値2 日)であった. 初診時評価は立位可能85.8% , 歩行可能71.6% ,MMT 実施率23.0%で, 退院前評価の実施率は握力52.5% ,10 m歩行41.5% , 片脚立位39.7% , 膝伸展筋力37.9% ,MMT25.9% ,6 分間歩行23.4%であった. 高齢や認知症および介護認定が有の対象で, 握力とMMT の実施率は増加し6 分間歩行の実施率は低下した.【考察】短期入院患者や高齢患者など患者の層別化を行い, 各症例に適した評価項目を作成する必要があると考えられた.