2025 年度末までに年間6 万人程度の介護人材を確保する必要性が指摘され,介護人材の確保と定着は喫緊の課題となっている。本研究は,介護人材の確保と定着の促進に資する取組を明らかにすることを目的に,介護職員にインタビュー調査を実施し,設定した基本仮説,作業仮説に対して仮説検証を行った。
仮説検証を行う過程で,介護業務等に接する機会が少ないと思われる若年層には介護等体験により介護業務に対する理解を深める機会を提供することが介護分野への参入を促進する可能性があること,新人介護職員の一定期間の就労継続要因として,奨学金の返済免除などがあること,就労継続要因となるやりがいは,職位の向上,異動による施設種別や対象利用者の変更によって,変化することが示唆された。