介護福祉士養成施設への介護福祉士国家試験の義務付けに向けた課題を明らかにすることを目的に、第34回介護福祉士国家試験の養成施設別合格率の公表データを用いて、大学、短大、専門学校の計357校を分析対象とし、養成施設別の合格率について学校種別と受験者属性(留学生以外・留学生、新卒者・既卒者)に関する記述統計と、受験者属性と留学生比率の相関分析を行った。
分析の結果、養成施設別にみた合格率の平均値は留学生以外が87.0%、留学生が36.1%、標準偏差は留学生以外が19.6、留学生が33.1であり、留学生は留学生以外と比較して合格率の平均値が低く、標準偏差が大きいこと、既卒者の留学生以外の標準偏差は41.0、留学生は22.8であり、既卒者は留学生以外の方が留学生よりも標準偏差が大きいこと等が明らかとなった。以上の結果から、養成施設への国家試験の義務づけに向け、留学生に加えて留学生以外の既卒者に対する学習支援の必要性が明らかとなった。