「中年期のおける自己感の変化」
本論文は事例を基に中年期における自己感の変化について考察したものである。中年期は自身の能力的・身体的な限界が見え隠れする中で、これまでの自分とどう向き合い、折り合いをつけてこれからの人生を歩んでゆくか、直線的な成長発達とは異なる観点から自身を捉え直して新たな意味付けを行っていくことが必要となる。事例では家族関係や夫婦関係に悩む中年女性がこれまでの人生の振り返りを通して主体性を回復していった経過を考察した。pp.56-63
『東洋英和女学院大学心理相談室紀要』第21巻