中国のリハビリ医療の現状と問題を俯瞰し、脳卒中患者と家族の不安の要因を検討した。医療従事者による退院援助とADL・IADLに対する介入が不足しており、それが不安の要因となっている。著者の活動先の病院では、ソーシャルワーカーが配置されていなかったため、リハビリ治療師がソーシャルワークの考え方を取り入れて、患者と家族の不安や心配に応じた。その結果、患者や家族の生活全般の不安や心配が和らいだ。しかし、リハビリ治療師だけでは限界があるため、医師や看護師などの協力も必要である。また、早期離床についても、医師の指示のもと、チーム医療として取り組む必要がある。今後は、専門職としてのソーシャルワーカーの育成・配置と、チーム医療の実施が求められる。
川﨑善徳、糟谷昌志、川﨑加奈