途上国では、医療関連職種のリハビリテーション知識・技術の不足、資材の不足、患者の経済的な理由等から、プラスティック短下肢装具(以下、PP-AFO)が購入できず、活動量が低下している脳卒中患者が散見される。そのため、安価で容易に製作可能な短下肢装具を開発し普及させることが急務である。今回、途上国向けに安価、容易に製造可能なPLAフィラメントを用いた短下肢装具を開発した。2030 年までに持続可能な開発目標(以下、SDGs)として、環境・経済・社会に関する諸課題を包括的に取り扱っており、環境や資源を守りつつ経済を発展させる、持続可能な開発が世界的に求められている。本研究で使用したPLAフィラメントは、植物由来のバイオマスプラスチックで、再生可能な資源・材料であり、また、焼却しても二酸化炭素の排出をおさえることができる。従来のPP短下肢装具の制作では、大量のプラスティック等のゴミが発生しており、これらの環境問題を解決するための一助になることが期待できる。途上国向け3DP-AFOの開発と今後のリハビリテーション教育への導入に関する展望を言及した。