市立函館病院集中治療部において、公認心理師が入院時重症患者対応メディエーターとして1年間に介入した患者57例について検討した。患者・家族の心理的動揺が大きいために、重篤な病状の需要支援が中心となったが、1/3は意志決定支援まで行うことができた。支援を重ねる過程で、意志決定支援の中心的な役割は、病棟看護師へと移行していった。重症患者支援の中でも特に意志決定支援については、病院全体で取り組むことが望ましく、公認心理師は支援者支援や悲嘆ケアなど専門性を活かした役割を担うべきであることを論じた。
中村万望、赤松直子、佐々木史、武村尊生、山本容子、今泉均、中西一彰、氏家義人
函館医学誌 第48巻・第1号 p.20~24