緩和医療が発展するとともに、症状緩和の方法にもエビデンスが求められるようになってきた。身体的苦痛への薬剤対応として、がん疼痛や呼吸困難、消化器症状など、苦痛症状緩和のためのガイドラインも作成されている。しかし「症状緩和」だけが緩和医療・緩和ケアではない。
今回は疼痛以外の身体症状、心理症状にフォーカスをあて、一人の患者・家族に寄り添う形でアプローチのポイントを概説する。
本稿で「気持ちのつらさ」を担当し、そのメカニズム、自覚・他覚症状、アセスメント・ケアのコミュニケーションテクニック、症状緩和のアプローチについて、臨床心理学的立場から概説を述べた。
pp.51-58