2022年の診療報酬改訂を受け、入院時重症患者対応メディエーター(Critical Care Mediator:以下、CCM)が配置される病院が徐々に増えている。CCMの実践報告はまだ少なく、特に看護師や社会福祉士以外の職種からの報告は僅かである。このため、ある病院における実態を調査すると共に、公認心理師がCCMを担う意義と問題点について検討を行った。
患者の意思決定支援はCCMができる前から各職種が業務の一環として行ってきたものである。しかし、急に重篤な状態に陥って混乱する患者・家族の気持ちに共感しつつ、思考を整理し、洞察を促し、意志決定に繋げて行くという一連のプロセスは、心理療法的介入と技術的に近いものがある。特に、否認や強い情緒反応を示すケースへの対応、患者の意志が確認できない際の推定意思の探索など、他の職種にとって困難度の高い介入は、公認心理師の専門性を生かし、他職種の支援ができることを提唱した。
発表者) 中村万希1)2)、赤松直子1)2)、佐々木史2)、武村尊生3)、山本容子4)、今泉均5)、氏家良人5)
1)市立函館病院 臨床心理科、2) 市立函館病院 精神神経科、
3)東北福祉大学 総合福祉学部福祉心理学科
4)市立函館病院 看護部 5)市立函館病院 ICU(集中治療部).