がん,非がんを問わず,痛みの薬物療法におけるにオピオイド鎮痛薬(以降,オピオイド)の役割は重要となっている。しかし,オピオイド使用障害は患者の生活の質を著しく低下させる可能性がある。本報告では,オピオイド使用障害に陥った長期がんサバイバーの4例について考察し,心理専門職の果たした役割について報告する。
何れの症例においても,初診時より臨床心理士による面接を開始,診察毎の面接も継続,不適切使用の背景についてアセスメントし,その対応にあたった。
オピオイド使用障害に陥る患者では,心理社会的背景,特にスティグマ,社会的孤立といった問題を抱えていることが多く,それらの問題を把握し支援を行うために臨床心理士をはじめとした心理専門職の役割は大きいことを述べた。
武村尊生,山口重樹,山中恵里子,椎名佐起子,木村嘉之,増田紗弓,藤井宏一