統合失調症患者が、がん等の重篤な身体疾患に罹患した際、標準的な身体治療が受けられないケースが(残念ながら)ままある。
その要因として、
①患者が、治療上の指示に従うことができない/できないだろうと医療者や家族が思ってしまう。
②患者に十分な同意能力がない/ないだろうと医療者や家族が思ってしまう。
③医療者が、標準的な治療はできないだろうと思ってしまい、そもそも治療を検討・提示しない/家族も、そこまでしなくて良いと思ってしまう。
こういった「思ってしまう」の根底には、各人の持つスティグマが、直接的/間接的に影響していると思われる。
実際の症例を通して、治療方針決定に影響してしまうスティグマについて心理師の立場から検討を行った。