津波浸水地域での個別訪問調査による健康支援の振り返り

第75回日本公衆衛生学会総会　（大阪市）

東日本大震災で甚大な津波被害を受けた仙台市若林区において、発災直後より地区踏査を開始した（2576世帯の訪問）。その後沿岸部で生活再建に取り組む全被災者世帯に戸別訪問調査を継続的に実施し（H２３：３３０世帯，H２５：２１４世帯，H２６：２７３世帯，H２７：３１６世帯）、心のケアチームなどと連携し健康支援を実施してきた。震災後５年目のアンケート調査では、被災者の約30-40%が「健康面の心配が増えた」「住民同士の交流が減った」と感じてはいるものの、約８５％が現在の生活に「満足」していた。生活支援が行き届かない所へ個別訪問調査を継続実施し、常に寄り添う姿勢で健康支援を行うことは重要であり、地域保健活動の原点であると考えた。
第75回日本公衆衛生学会総会　　抄録集　　P-1305-8
赤間裕子，木村ミカナ，佐藤和代，庄子俊江，佐藤幸子，及川艶子，赤井由紀子