東日本大震災発生時から避難所閉鎖時までの、仙台市若林区災害対策本部保健福祉班が実施した避難所運営と公衆衛生活動について記録した。職員の体験や思いもトピックスとして記録している。
仙台市若林区の約50%が浸水し、330人以上が犠牲となり、最大時避難者20449名が53ケ所の避難所に避難した。保健福祉班の職員は医師1名、保健師18名を含む238人で対応を開始した。各避難所の避難者数、対応した職員体制の推移を表にまとめ、被災状況、対策本部の動き、避難所運営、公衆活動状況を同時に把握できるように時系列で記録した。常に避難所においては避難者のQOLの向上と運営の効率化を考え、運営体制を見直してきたこと、食事や入浴などのサービス支援での問題とその対応なども具体的に記載した。避難所運営を担当した職員にヒアリングを実施し、情報収集や引き継ぎなどの12件の課題を整理、検討し、今後に向けた提案も示した。保健活動においてはフェーズ毎にマニュアル上の計画と比較しながら活動状況を示した。他都市からの保健師等の職員の派遣支援を得られた状況や、各チームが一同に集まるミーティグを開催し、効率良い活動を展開していく状況についても記載した。インフルエンザ、感染性胃腸炎等の発生状況をグラフで示し、医療チームと共に実施した感染拡大予防について、配布したちらし等も掲載し、記録している。
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仙台市若林区災害対策本部保健福祉班(赤井由紀子、鈴木俊雄、大金由夫、及川艶子、後藤敬二、他)