その他

基本情報

氏名 赤井 由紀子
氏名(カナ) アカイ ユキコ
氏名(英語) Akai Yukiko
所属 健康科学部 保健看護学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

「仙台市における被災状況と保健所活動」

単著・共著の別

単著

発行又は発表の年月

201110

発表学会等の名称

平成23年度全国保健所長会,(秋田市)

概要

東日本大震災で仙台市は、津波による人的被害(死者704名)、宅地、建物被害(全壊2万棟以上)を受けた。市民の1割に当たる約10万人が312ケ所の避難所に避難した。特に若林区は甚大な津波被害を受けた。若林区保健福祉センター(保健所)は,
医師1名、保健師18名を含む110人の職員で、若林区の災害時対策本部の保健福祉班として、公衆衛生活動(保健所活動)はもちろん、避難所運営の役割も果たさなければならなかった。全避難所に担当職員を派遣し、また組織横断的に保健師チームを編成し、被害の大きい地域の避難所を中心に救護活動を開始させた。津波被災地では、発災直後は外科的ニーズは少なく、在宅酸素療法患者の医療機器確保や透析患者の通院手段確保が求められた。発災3日後より、他都市から保健師等の派遣の支援が得られ、全避難所の健康把握ができ、地区踏査も実施した。さらに、医療チーム、保健師チーム、心のケアチーム等が一同に集まり、包括的な保健医療活動を展開した。避難所運営と連携しトイレと別に洗面所を確保するなどの環境衛生からも感染症対策に取り組み、インフルエンザ、感染性胃腸炎等の感染拡大を防いだ。また、共用スペースを設け生活不活発病対策にも取り組んだ。7月下旬に被災者は避難所から仮設住宅へ移動したことに伴い、地域コミュニティーを考えたきめ細やかな生活再建支援、健康支援を継続している。
以上、東日本大震災による仙台市の被害状況と保健活動の報告をし、これまでの震災対応を振り返り、確実な通信手段と人員確保が必要であること、避難所運営と連携した保健活動が重要であること、職員の健康を守りながらきめ細かな被災者支援を展開する必要があること、そして危機管理能力の鍛錬が重要であることを述べた。