教育の根幹は子どもたちのからだと心を守り育てることである。そして,そのいのちは,一人一人がもつ個性的でかけがえのないものであり,からだそのものである。そのからだは,文化を学び合い,習得し合うことで成長する。その発達と成長を保証するために,からだに深く関わる教科である体育及び保健の学習を重視し,その授業がどうあるべきか実践的に研究を重ねてきた。からだの実感を大切にし,その実感を手掛かりにして運動を捉え直したり,自分たちの生活を見つめなおしたりしていく。そこに,科学的な知識に基づいた学び,豊かな文化との出会いを組み込むことで,子どもたちは新たな可能性をもった自分と出会っていく。その変容を把握し,共有し,授業を改善していくために,「書く」ことを中心とした表現活動を位置付け,検討している。子どもの姿を起点とした授業づくりに始まり,実践の検討を行い,その原理・原則を明らかにするよう研究を続けている。