本研究は、「養護教諭の教育実践理論の構築研究会」における共同研究成果の一環であり,1984 年から 2018 年の間に出版された養護教諭による「健康教育」実践に関する60本の実践記録を分析した。分析手順として、優秀かつ重要と判断した要素を書き出し、タイトルをつけました。内容に応じて、実践的な考え方(哲学)と学習の具体的な進め方(方法)に関わる要素を分類して検討しました。分析作業の手順は、まず、実践の概要を短く文章化した。次に、養護教諭の実践として優れている、重要であると判断した部分について、その記述内容を原文のまま書き出し、長文となる場合は原文を損ねないように要約した上で、その内容を端的に表現した小見出しを付けた。以上のような作業を複数人で行い、シマ分けや項目の作成・整理については、グループでの討議を重ねることにより、一人の担当者の主観が強く反映されることを防ぎ、できるだけの客観性・妥当性の担保に努めた。養護教諭は、子どもたちの健康の実態を把握し、より健康な生活を送ってほしいという強い願いをもって健康教育に取り組んでおり,子どもたちが自分のからだと健康について納得の伴った学びにすることを大切にしていた。そして,子どもたちが主体となり,納得と実感の伴った理解となるよう,さまざまな工夫をしていることがわかった。