【目的】これまで,板書文字が明視できる条件についての検討は行われているが,どの程度の視力の子どもがどの座席に配置されているか等の検討は十分に行われていなかった.そのためわれわれは、小学校高学年の子どもを対象に視力検査結果と座席表を収集し、多くの教室で後方の座席に視力C,Dの子どもが座席配置されていることを確認してきた.このような事実は、長年に亘って心配されている子どもの疲労感に影響を与えている可能性を危惧させる.また、その影響は黒板と電子黒板とで異なることも推測させる.そこで本研究では、黒板及び電子黒板の見え具合と自覚的疲労感との関連を明らかにすることを目的とした.【方法】対象は2地域7小学校の小学4~6年生1,474名であり、調査は2024年7~9月に実施した.本研究では、質問紙を用いた黒板及び電子黒板の見え方と自覚症しらべを用いた自覚的疲労感のデータを収集し、それらの関連を検討した.【結果】黒板及び電子黒板とも,「見えている」者に比して「見えにくい時がある」者は自覚的疲労感の総得点,ねむけ感,不安定感,不快感,だるさ感,ぼやけ感のいずれにおいても有意に高値を示した.このような事実は,黒板,電子黒板の違いに関係なく,その見え方と自覚的疲労感とが関連していることを示唆している.そのため,黒板及び電子黒板に表示した文字が明視できる文字の大きさや座席からの距離を明らかにし,座席配置の際の健康診断結果の利用のあり方を提示することを今後の課題としたい.