子どもたちの疑問と要求に応え，からだへの信頼と価値を育む教育をーコロナ禍における「からだの学習」の可能性ー

日本教育保健学会

新型コロナウイルス感染症への対応が長期化する中，子どもたちは感染予防のための行動変容と道徳的な対応が多くの場で求められ続けている。子どもの疑問や不安に応えると同時に，子どもたちのより深い疑問や要求，願いを掘り起こしながら授業を展開することが今まで以上に必要な状況である。子どもたちがこれまでに行ってきた予防のための行動や看病を受けた経験，症状を手がかりに，からだの中で起こっていること（免疫反応）を関連付け，納得のある理解へ深めていくことを大切にする授業の計画とその実践と課題についての報告である。からだを軸にして科学的に学ぶ「からだの学習」は，子どもたちにからだへの信頼と価値を育み，主体的に行動しようとする意志を育むことにつながることを，実際の授業を基に提案を行った。