特別支援学校(聴覚障害)小学部1.2年生の聴覚障害児および同年齢の健聴児を対象に、長音に関する表記の習得について検討した。聴覚障害児は、長音部の脱落の誤りが多くみられた。これは、音声の聴取に困難があり、その結果、長音の有無が認識しにくく、表記上の誤りが生じているのではないかと考えられた。一方で、健聴児では、長音の表記では、「氷」を「こうり」、「王様」を「おおさま」など、「お」と「う」の選択に困難があった。この点からも、聴覚障害児は聴こえの困難から、単語の表記習得に困難を示していることが明らかとなった。
発表論文集P162
茂木成友、四日市章