グループワークは主要なソーシャルワーク援助方法と位置づけられ,欧米の実践では,利用者への支援提供のために複数の援助専門職が定期的に集う支援会議やケア会議はタスク・グループの実践としてグループワークの介入対象となっている.
我が国のグループワーク実践がこの潮流に乗り遅れていることを鑑み、本研究では,タスク・グループを介入対象とする実践に寄与する専門教育について考察する。特に対立を極力避けようとする妥協行動が優先される日本のグループ原型を克服する必要があると捉え、原型と異なるグループ経験を演習で意図的に提供し、その経験からグループワークを問い直す学びを企画した。演習前・後のグループワーク実践に対する認知の変容について考察した結果、受講生は内在化させていた準拠枠とは異なり、多様な情報や考えが内包される状態を対立と捉え、それを協調的に乗り越えることが可能だと認識している。
pp.1-16.