エンパワメントはソーシャルワーク実践の核となるものであり、ジェネラリスト実践の中心的概念の一つである。ジェネラリストソーシャルワーカーがエンパワメント・アプローチを採用するのはソーシャルワーク・サービス利用者の多くは社会的抑圧を経験しており、エンパワメントを基盤にした援助を通じて、サービス利用者が潜在的な社会生活機能を発揮していくことが、社会的公正・正義を増進するソーシャルワークの目的に合致するからである。
本発表では、エンパワメントの考え方とグループワーク実践との結び付きについて整理することを目的にした。その理由として、我が国における先行研究ではエンパワメントとグループワークとの関連を検討したものが非常に少ないと認識するからである。本研究では、エンパワメントの考え方を整理しつつエンパワメントを意識したグループワーク実践の姿を捉え直した。