著書

基本情報

氏名 山本 窓亜
氏名(カナ) ヤマモト マドア
氏名(英語) Yamamoto Madoa
所属 総合福祉学部 福祉行政学科
職名 助教
researchmap研究者コード
researchmap機関

書名

『福祉ライブラリ 福祉法学』

著書担当区分

共著

概要

「判例研究」(頁数約30 頁)を担当。
「エホバの証人信者輸血拒否事件」では、「宗教上の信念に基づく人格権」について、患者の「意思決定をする権利」と生命価値との優劣に関する判決の立場を解説した。「再婚禁止期間違憲訴訟」では、判決の理由付けを解説したのち、近年学説の多数である再婚禁止期間廃止論に言及し、無戸籍児問題の解決を視野に入れた法改正を主張した。「堀木訴訟」では、憲法 25 条の法的性格に関する判決の立場を指摘し、判決によって学説の議論がどのように進展したかを示した。「朝日訴訟」では、その傍論部分に表れる憲法 25 条の法的性格に関する最高裁判所の立場を解説した。「エポバの証人剣道実技受講拒否事件」では、判決の採用する判断枠組みについて、行政法の視点を取り入れた解説をし、当該判断枠組みと憲法上保障される信教の自由との関係を論じた。「君が代ピアノ伴奏拒否事件上告審判決」では、多数意見が「一般的」、「客観的」な観点から判断したことに対する、補足意見、反対意見および学説からの批判が正当であることを論じ、上告人自身の立場からより具体的な検討を
した上で判断すべきであったことを主張した。「サッカーボール事件」では、責任能力のない未成年者が加害行為をした場面において、判決によると、いかなる場合に監督義務者の監督義務の水準が緩和され得るかについて論じた。「JR東海認知症徘徊事故訴訟最高裁判決」では、判決に対する評価を論じたのち、精神障害による責任無能力者に該当する障害者や高齢者が不法行為をした場合、従来の「被害者対加害者」構造から脱却し、社会全体での「リスク分配」を検討する必要があることを主張した。「夫婦同氏訴訟最高裁大法廷判決」では、多数意見の理由付けにはその核心部分に問題があることを指摘した反面、憲法 24 条 2 項に一定の既判力を認める判示をしたことで救済の幅が広がったことには肯定的な意見を述べた。

発行所

建帛社

発行年月

201804