その他

基本情報

氏名 石川 環
氏名(カナ) イシカワ タマキ
氏名(英語) Ishikawa Tamaki
所属 健康科学部 保健看護学科
職名 講師
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

褥瘡治療における栄養管理と局所治療のコラボレーション 皮膚・排泄ケア認定看護師からみた栄養管理(シンポジウム)

単著・共著の別

 

発行又は発表の年月

201302

発表学会等の名称

第28回日本静脈経腸栄養学会学術集会(金沢市)

概要

褥瘡ケアには、「局所ケア」と「栄養管理」が必要であり、どちらか一方だけが優れていても治療の効果は発揮できない。適切な栄養管理を行うためには、褥瘡治癒過程に応じて必要な栄養素を補う必要がある。褥瘡の評価を行う機会が最も多いのは看護師であり、適切な栄養管理を提供するために看護師に求められる役割は大きい。
 近年、NSTと褥瘡対策チームがコラボレーションを図り、褥瘡対策に栄養管理を取り入れることで大きな効果が報告されている。褥瘡予防・管理ガイドラインでは、褥瘡患者に管理栄養士やNSTが介入することを推奨しており、褥瘡治療の効果を高めるためには、チーム医療による関わりが不可欠である。先に述べたように、褥瘡の評価を行う機会が多い看護師は、チーム医療の中心となり力を発揮する必要がある。
 しかし、このように栄養の重要性を認識してはいるが、栄養管理を苦手とする看護師は多い。その理由として、褥瘡と栄養に関するエビデンスレベルの高い研究が不十分であり、栄養の効果を評価する指標が定まっていないためではないかと考えられる。栄養管理は全身管理であり、疾患や性別、年齢によって代謝は異なる。そのため、褥瘡局所に対する栄養管理の基準を明確に定めることは困難である。だからこそ、看護における栄養管理の役割とは何かを明確にする必要があると考える。
 ナイチンゲールは、「看護覚え書」の中で、看護師が行うべき栄養管理について、次のように述べている。「各食品に含まれる実質栄養分の量に基づいて食事の基準を定めようとするとき、患者にとって消耗の回復に何が必要なのか(中略)いつも見落とされる。」つまり、看護師であるならば、褥瘡の回復にどの栄養素がどの程度必要であるのか考慮すべきであると、栄養管理上の問題点について指摘をしている。今回、褥瘡ケアを専門とする看護師の立場から、看護の基本に立ち返り、看護師が行うべき栄養管理の役割について発言する。静脈経腸栄養 28巻1号 P204(2013.01)