下肢麻痺患者に発生する褥瘡には、運動知覚障害や拘縮等に起因する褥瘡の他に、姿勢変化や動作方法、生活習慣等の動的因子が加わって発生するものがある。特に後者は、活動性を向上させる過程や生活環境の変化による坐位時間の延長、並びに車椅子駆動や異常時に発生するズレ力により、再発・増悪を反復し難治性となることがある。治療には、局所ケアに加え日常生活動作に注目した発生要因の分析とリハビリテーションが重要である。看護師、PT、OT、NSTによる多職種連携により難治性褥瘡が治癒した。新藤直子、松井純子、濱田康平、伊藤郁乃、宮澤安希、藤田美絵、草場徹、矢島幸昌、内田裕子、森田三佳子、石川環 第14回日本褥瘡学会学術集会(横浜市)