腹部手術後の創感染による離開創に対しては、創傷治癒促進を目指して従来より局所陰圧閉鎖療法(以下、NPWT)が用いられてきた。しかし従来のNPETは中央配管吸引を使用し、各施設毎に独自に工夫され行われているのが現状であり、煩雑な手技や使用される医療材料は病院側の収益にはつながらなかった。また、リークや移動時に陰圧を中断しなければならず、ADLを妨げるといった問題点があった。従来のNPWTと比べてより簡便で、かつ医療側の収益としても計算できるV.A.C.ATS®治療システムを導入し、腹部手術後離開創に応用した。伊藤和幸、中田博、石川環、後藤振一郎 第23回日本外科感染症学会学術集会(東京)